オオカミ少年。

「だから、あたしは今日みたいに色々言われるのが嫌だから、少し話すの控えようって言ってるの」

「ダメ。」


ダメって何だ。

あたしの言うことは聞けないって?

冗談じゃない。被害を受けるのは絶対にあたしなんだから!


「ダメじゃない!」

「俺は平山と今まで通り話したいんだって」

「じゃあ人がいないとこで。」

「ヤダ。平山奪われるじゃん。」

「誰があたしのことなんて奪うのよ。ていうか、その前にあたし中田の所有物じゃないからね。」

「平山は俺のだし。」


ちょっと待てー。

いつのまにあたしは中田のものになったの?

そんな覚えはないんだけど。


「あんたほんと最近変だよ。」

「えー、俺いつもこんな感じだけど。」

何て言っても中田からはバカみたいな返事が帰ってくるから、あたしももう諦め気味だ。

< 38 / 152 >

この作品をシェア

pagetop