オオカミ少年。
「だから、あたしは今日みたいに色々言われるのが嫌だから、少し話すの控えようって言ってるの」
「ダメ。」
ダメって何だ。
あたしの言うことは聞けないって?
冗談じゃない。被害を受けるのは絶対にあたしなんだから!
「ダメじゃない!」
「俺は平山と今まで通り話したいんだって」
「じゃあ人がいないとこで。」
「ヤダ。平山奪われるじゃん。」
「誰があたしのことなんて奪うのよ。ていうか、その前にあたし中田の所有物じゃないからね。」
「平山は俺のだし。」
ちょっと待てー。
いつのまにあたしは中田のものになったの?
そんな覚えはないんだけど。
「あんたほんと最近変だよ。」
「えー、俺いつもこんな感じだけど。」
何て言っても中田からはバカみたいな返事が帰ってくるから、あたしももう諦め気味だ。