オオカミ少年。
「とにかく、俺はあんな女子の言うこと聞くつもりはないから。」
いつもみたいにニヤリと笑った中田。
悪戯っ子みたいな笑い方はいつもと同じ。
大きく伸びをして、屋上に寝転んだ。上には綺麗な青空が広がっていて、中田は気持ち良さそうに目を閉じる。
「寝るなら帰るけど。」
あたしがそう言うと、眩しそうに目を開けて
「ダメ、帰さないよ。」
なんて言う。
どこのチャラ男ですか?
下からあたしを見上げる中田が、不覚にも可愛く見えてしまう。あたしに向かって手を伸ばすから、思わずその手を取ってしまった。
「一緒に寝よーぜ。」
立っていたあたしをグッと引き寄せた。