【BL】腐男子な俺の恋フラグ
黙ってうつむく俺を見かねてか、会長はまた息を零し俺に尋ねてきた。
「…何か手がかりはないのか?」
俺は首をフルフルと振る。
「本当に何も分からないのか?」
「俺、徹夜したから爆睡してて……あ」
でも、1つだけ。
普通は人間って夢を見たら忘れる生き物だけど、何故かソレは突然頭によぎった。
「どうした?槙?」
でも、その夢は…
「顔、赤いぞ?」
「だ、大丈夫です!やっぱり何でもないです!では会長サヨウナラ!」
俺は慌てて生徒会室を飛び出す。
授業の終わりを告げるチャイムが聞こえる。
だけど、きっと今は俺の体内で鳴っている心臓の音の方がうるさい。
『おい』
夢の中で聞こえた律の声。
―――アレは本当に夢、だったんだろうか?