【BL】腐男子な俺の恋フラグ
「…そうやな」
1つは、自分もどこかでコイツの言う通りやと認めてしまっている部分があるという事。
いくら、あの話し合いを最後に俺様や香川のガキに近づくなと言われとってもいつもの俺ならそんなの無視して会いに行っとる。そんなのは言い訳にしかすぎん。
結局俺が槙に会いに行かへんのは、俺が意気地なしやからや。
だからあの会話を聞いてため息しか吐く事しか出来へん。邪魔する事もせず、ただ、槙が嬉しそうな顔見て良かったな…と胸の苦しみに耐えて昔みたく顔を背ける事しかせぇへんのや。
はー…情けないなぁ…
あの、幸せな空間なんかに入りこみたない、なんて…何が泣く子も黙る風紀委員長や。ヘタレやないかい。
そして、もう1つの理由は、
「――――俺の方はさらにタチが悪いですけどね…」
そんなヘタレであるはずの俺にこんな顔を向けてるからや。
どこか悲しげで、それでも何かを決意したような顔やった。
「…お前、どうする気や?」
「…牛丼さんと話せて良かった。…俺はアナタみたいには出来ない。そう思ったんです」
「………」
その時、コイツが何をしようとしているのか大体分かってしまった。
だけど、俺に少し頭を下げ、去っていく後姿には何も声がかけられんかった。
あーあ…2度目の失恋もホンマきついわ…