【BL】腐男子な俺の恋フラグ
暫くは立つのもだるかった。
香川に睨まれたが、何もしないと断言する。
もう、そういう気分じゃない。
ただ、話がしたいだけだ。
すると彼は俺の言う通りに近づいて来てくれ、俺の目線と同じ高さになるよう目の前で屈んだ。
「…槙、今のでもう分かっただろう?」
「………」
コイツは何も言わない。ただひたすら俺をジッと見つめるだけだ。
でも、その瞳には悲しさを帯びた色が映っていた。
だから俺は、深くため息を吐くしかなくて。
「…俺も、槙が思うような兄貴になりたい」
こんな事を言うしかなかった。
槙の瞳は大きく揺らいでいる。
「だが、時間をくれ。…お前の事は諦めるようにする。いつになるか分からないが、それまで時間が欲しい。その間は俺も近づかないようにするし、槙の事を同じく“篠原”と呼んで線引きをする」