青龍と桜
やはり真理と胡桃が予想した通り、浜里さんは日をおかずに柊くんたちの族の姫になった。
そのため、このクラスに総長が浜里さんを迎えにくることも多くなり、半ば日常的になりつつあった。
「美花、迎えにきた」
今日も柊くんたちの族の総長である、3年の新田琢磨(にった たくま)が浜里さんを迎えにきた。
「琢磨さまよ!」
「ああ、今日も素敵っ!
「こっち見ないかしら?」
そんな女子たちの黄色い声が飛ぶ。
ただ、言われている本人は、気にしてないのか、聞こえてないのかはわからないが、全く相手にせず、教室を見渡し目的の浜里さんを探す。
だがこの日はあいにく、浜里さんは柊くんたちと早々に教室を後にしていた。