赤い月 終

ドアノブに手をかけるうさぎを逃すまいと扉を押さえていた景時が、誰かに突き飛ばされた。


(ナニゴト?)


四つん這いになった景時が振り返ると…


「??!!
ジジィィィ??!!」


いつの間にか距離を詰めていた秋時が、怯えて固まるうさぎを抱きしめていた。


「うさちゃん、俺が悪かった。
ちゃんと話し合おう。
なんでも話し合おう。
気に入らないトコロがあるなら直すから。」


ナニ?ソレ。
痴話喧嘩の仲直り?


「ぁぅ? あー…
妾こそ、悪かった。

怒っておらぬのか?」


よくわかってないまま、うさちゃんまで乗っかっちゃった?!


「怒るワケないだろ?
もう家出なんてやめて、帰ってきてくれるね?」


もうソレ、舅じゃねーよ。
カミサンに逃げられたダンナだよ。


「うむ。
あ、ただいま。」


「お帰り、うさちゃん。」


ハイ、夫婦関係修復完了…

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