赤い月 終

「じゃあ、おまえ、ナニやったンだよ?」


「姐御がいなくなるなんて、よっぽどじゃん。
吐け。」


大吾と祥子が、景時の顔に人差し指を突きつける。

あー…

確かに『よっぽど』のコトはあったねぇ…

ある意味、『ピ──』を超えるよねぇ…


「待て、違うのじゃ。」


言葉を詰まらせた景時の腕からスルリと逃れたうさぎが、再び三人の前に立った。


「景時は何もしておらぬ。
妾は、気分転換に散歩に出ておっただけなのじゃ。」


「散歩?
ソレだけ?」


「逃げ出したンじゃねーの?」


「逃げたのなら、戻っては来ぬだろう?」


うさぎは可笑しそうに微笑んだ。

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