10年後も…〜song for you〜

夏美ちゃんが息を吐いた。

「分かってます。健くんは、そんな軽い人じゃないってことは…」


「もしかして、夏美ちゃんって…」

「実は出会った頃、好きだったんです」

「そっか…でも、あたしも夏美ちゃんもやっぱり真琴ちゃんには敵わないんだよね。健が自然体で居るのは、真琴ちゃんの前だけだもの」

「はい。2人は見えない絆みたいな物がある気がします」

夏美ちゃんの言葉に大きく頷いた。


ほんと…


2人には深い絆がある。


「柏木さん、やっぱかっこいいです」

夏美ちゃんがにっこりと笑った。


私も笑顔になった。


「ありがとう。あ、ひとつ聞いていい?」

「はい」


「健、帰国した後、真琴ちゃんの家に住んでいるんでしょ?」

「え!?あ、まぁあ実は…」


夏美ちゃんが気まずそうな顔をした。


「いいの。なんとなく分かってたから。祐樹くんの家に住んでるって言ってたけど花見の時、祐樹くんとは別々に来てたし、あの時なんかみんな隠すような様子だったし」

「すみません…なんか」

「もうあの時から別れる決意してたからいいの」

「え?」

夏美ちゃんの目が丸くなった。





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