イケメン女子の学園生活1【完】

「待たせたな…………何してんだ?」

『な、何のこと?』



本気でブランコを漕いで遠くにジャーンプ!したらズリッっと滑って足首グキッでうずくまっていました………

あー痛い


慣れない事をするもんじゃないな



『…どうだって?』

「バイトの事か?…大丈夫」

『そっか。何処に行く?』

「俺の家。……いいか?」

『勿論』



オレが答えるとコッチだ、と歩き始めた


「……家に弟がいんだ」

『そうなんだ!』

「あぁ…その弟が熱出してな」

『えっ、そりゃ大変!看病しないと』

「…………俺には看病の仕方が分からなくて…手伝ってくれないか?」

『そーんな事か。当たり前、手伝うよ』



難しい顔で心配そうにオレを見るから何事かと思ったが……

弟さんが熱ねー







暫く歩いて着いたのはボロアパート

草だらけの庭(?)に黒く錆びれた壁…



『うわぁ…』

「ボロいだろ?」

『うん、ボロい』



オレの遠慮のない言葉にフッと笑った翔はボロアパートに入っていく

今にも崩れそうな階段をあがる


ギィギィ音を出した



ガチャリと開けられた部屋を覗く

思っていた通りの光景



狭い部屋は畳で丸机が1つ、玄関のすぐ横に台所
左右に部屋があるが広さは期待できないだろう


「汚くて悪い」

『…いや、狭いけど汚くはない』


ゴミなどの散らかりはなく掃除はされている

あがれ、と言われオレは靴を脱ぐ


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