イケメン女子の学園生活1【完】
〜遠野 side〜
どうも、初めまして遠野です
黒崎家に仕える朔月の専属執事です
と、まー詳しい自己紹介をしたいとこだが……
これくらいに。
なんせ今忙しいもんでね
「……なんなのっ!執事風情がこの私に!!」
この私、ねぇ……
経緯を話すと、
そろそろ準備した方が良いだろう、と朔月を探していた
見つけたのは人通りが少ない個人用の廊下で…
そして愛人野郎が花瓶を手に取っていた
四つん這い状態の朔月を見た途端、俺の体は自然に駆け出した
あり得ねぇ……花瓶とか
怒りが爆発しそうになるも間一髪で花瓶を止める事が出来た
こめかみがピクピクしてしまう
「…申し訳ありません。花瓶を落としそうになられていたので」
「〜〜…っ、五月蝿いっ!離しなさいっ!!」
――…パシンッ!!
いってぇな、くそっ!
右頬に愛人野郎の平手打ちを喰らった
チッ、指輪とかジャラジャラしたもんつけてっから地味にいてぇんだよ!!
つい離してしまった腕で、また俺を殴りつけようとしたので身構えた
『……待て』
いつの間にか立ち上がった朔月は据わった目で愛人野郎の腕を掴んだ
あの、朔月が……怒ってる…?