イケメン女子の学園生活1【完】
何をされても感情を閉ざしていた、あの朔月が
「なっ…なによ!」
『………フゥ。すいませんが、我慢できる度を越しました。オレは良いです。どうなっても。…けど、コイツ…オレの執事に手を出す事は許しません』
静かに殺気を放つ朔月の姿が美しく、不覚にも俺は見とれていた
ボーー、っと間抜けな顔だったんじゃねえかな
「う、う、うるさい!も、離しなさいよっ!」
そう言った愛人野郎は手を振り払うと足早に逃げていった
初めて朔月の怒りを見てビビったんだろう
……俺もすこーしビックリしたケド
『……大丈夫か?』
ハッと我にかえると目の前には心配したような朔月の顔
心配、とかすげえ嬉しい
嬉しいとか思っちゃいけない状況なんだけど、嬉しいもんは嬉しい
しかし近いな
赤くなんな!俺!
「だ、大丈夫」
『悪いな、…けど、助かった。ありがとう』
あぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
くそっ!
許されない、気持ちが俺の中で溢れそうになる
力いっぱい抱き締めたくなる
駄目だ!!
そう言いきかせる
……いつからだろう
俺が朔月に特別な感情を抱くようになったのは
許されない、雇用主と雇い主の関係なのに、…