イケメン女子の学園生活1【完】








《うん、もうすぐ着くぞー!》

『分かった。門で待ってんな』



……ブチッ


哲から皆で向かっている…というかもう着くと電話があった

その時には着替え終わっていたオレは浴衣についていた巾着の鞄に携帯を突っ込むと外に出た



夏真っ盛りだけど夕方にはほんのり涼しくなっていた

風がエアコンのとは違い心地よい



サワサワと揺れる髪を横目にオレは門にもたれかかって哲達を待つ




「朔月ー!」


暫くしたら、大きな白い外車がきた

窓から哲が叫んだので中を除き込むと月牙の面々が……て、


『なんで外車?』

「あー、俺もビックリ!ま、いーから乗って!」

「なぁんで哲が仕切るかなぁ?」

「う…ごめん……」

『おじゃましまーす』



ノリノリの哲が泪に突っ込まれた

哲の外車ではない…と思う


運転手さん付きだし



外車の中は広く、哲の隣に腰かけた

軽いリムジンみたいな形で、まー広い



「…………」


『……?』



ストンと腰かけた瞬間中々騒がしかった空間は静まりかえる

心なしか顔が赤い面々



『…哲、皆どうしたんだ……』

「んー…浴衣可愛いなっ!って感じ?」

『……え、嘘』


可愛い、とかそんな反応なのか?
なんかポカーンってしてるけど?



「嘘じゃないし!髪もセットしたんだな!」

『ああ、うん。執事が折角ならって。カツ…ウイッグ付けてんだ』

「似合う似合う」


うんうんと頷く哲にお礼を言って前を見る

したら、こっちをガン見していた光樹とバッチリ目が合う


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