桃色の初恋〈上〉


「12月15日午前2時40分」



矢崎は息を引き取った。



矢崎のお母さんは泣き叫んでいたけど、
私は泣き叫ぶこともできず、ただ
呆然とその場に立って涙を流した。



私はICUを出た。




「紗季・・・?」

『...愁、ごめんね。』



愁は私のことを怒らなかった。
ただ優しい目で私を見ていた。





『別れて_____』









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