桃色の初恋〈上〉


夢にあの時本当のことを
言っていれば、もう少し楽になれた
のかもしれない。


愁に合わせる顔がない。


そう思ってドキドキしていた。



「紗季?どうかした?」

『う、うん何にも。大丈夫』



何にもないなんて嘘。
下駄箱に一枚の手紙があった。



      二股女
      最低
      死ね
      消えろ
      別れろ


手紙にはそう書かれていた。




『行こ』



私はその紙をバックの中にしまった。













< 155 / 216 >

この作品をシェア

pagetop