桃色の初恋〈上〉

少し前から、愁のことが好きだった。
でも、そんなの叶う訳ないからって心の
奥底にその気持ちを隠してた。


でも、100%隠せるなんて不可能なんだね。
初めて恋をしたから、そんなこと知らなか
った。人は自分には嘘をつけないんだ。


「俺のこと好き?」

『うん、もちろん。』

「いつから?」

『初部活で助けてくれた時から。』

「俺は、学校入ってから、ずっと好きだ
った。」

『私の事知ってたの?』

「覚えてないんだ。」

『・・・フフッ。覚えてるよ。出会いは
 もっと昔だもんね。』


愁の事を知ったのは確かに私がマネージャ
ーに就任してから。だけど、出会ったのは
入学式の日。

その日は帰りにいきなり雨が降ってきちゃ
ってほとんどの人がビショビショになりなが
ら帰った。


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