【単連】MEETs JUNCTION(BL含)
「こういうとこ、嫌い?」
明らかに連れてこられたって感じ。と、シュウは私のグラスに焼酎を注ぎながら言った。
「嫌いっていうか、興味ないのよ」
「かっこいいね」
優雅にマドラーを回して、唇の端を上げる。
「アンタは、何でこういうところで働いてるの?」
「え?」
ストレートな言葉に眼を丸くさせたシュウは、瞬きを一つ。
「愚問か。仕事だもんね」
不器用な笑顔ながらサービスに徹するシュウは偉い。
ただ、不器用さかついつい反応に出てしまう。
それを可愛いという人もいるだろう。
気付かない馬鹿もいる。
敢えて気付かない振りをすることもある。
シュウがこの仕事をしていることに気持ちが悪い程違和感を覚えてしまった私が、ついつい口を滑らせてしまった。
それは、自分と重ねてしまってあるからだ。
同情。
そう、同情だ。
「ごめんごめん。こういう夢を売るところじゃ、しちゃいけない質問だったね。ちょっと、酔ってる」
「いえ」
奥でコールが鳴る。
どこかでシャンパンタワーが注文されたらしい。
対抗してうちの上司も何か注文するに違いない。
「阿呆らしい」