【単連】MEETs JUNCTION(BL含)

 私は焼酎を煽った。

 下品にも男に湯水のように金を注ぎ込む。

 私たち従業員が笑顔を貼り付けて客に媚びを売って集めた金を、こんな無駄なことに使うのだ。

 金で人の心か買えるなら、私は死ぬ気で働くだろう。

 どんな汚いことだってするし、嘘だってもう少し上手につく。寝る時間だって潰せる。

 あと一年しか生きられないと言われたって一向に構わない。

 最期を好きな人と過ごせるなら安いものだろう。

 その後に相手がまた別の好きな人の心を買えばいい。






 だけど、ツバサが求めていたものは、残念ながら金ではなかったのだ。

 金ならよかった。

 それなら私にもいくらでも──









 望みのない夢を見てしまうのは、やはりここが夢を売るところだからなのだろうか。

 気分が悪い。

 馬鹿ばっかりだからだ。

 下らない見栄の為に金を使う上司も、文句を並べながらも自分に得になることならと甘んじる同僚も、金を落とさせる為に思ってもいない言葉を甘ったるく吐き出す男も、不器用に笑う自分に気付かないシュウも、そして柄にもなく感傷的になっている自分自身にも。

 ヘドが出るほど気分が悪い。

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