【単連】MEETs JUNCTION(BL含)
「ねぇ、」
「はい?」


 額に手を当ててグラスに揺れる焼酎の水割りを見ながら言った私に反応したのは、勿論シュウ。


「アフターって、今からでも付き合ってくれるの?」
「え?、あ、ぜひ」
「申し訳ないんだけど、私、アンタの金にはならないよ?」


 ニヤリと唇を上げれば、シュウが一瞬、止まる。

 つくづく素直だ。


「金にはならないけど、友達にはなれそうな気がする」


 妖しく視線を向け、クックッ、と胸を弾ませてやった。

 シュウは眉間を寄せた。

 おいおい、営業スマイルかませよ。










 半ば無理矢理連れて来た古いバーで呑み直すことにした。

 モダンな雰囲気がお気に入りの、私の行き付けだ。


「ここくらいは私がもつから、好きなの呑んでいいわよ」


 怪訝そうな顔をして、シュウはジントニックを注文した。


「その代わり、」


 カウンターのスツールを回して、シュウを見た。


「今晩は付き合って」




 ここに来るまでの30分間、これと言った会話はなかった。
 時折シュウが下手くそなトークをしていたが、愛想笑いもしない素直な私の空気を読んで、そのうちに話さなくなった。

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