【単連】MEETs JUNCTION(BL含)
「ヤスは元々男が好きな訳じゃないんだよな?」
俺は過去にヤスヒロが付き合っていた女を二人程知っていた。
二人とも特別美人なわけではなかったが、性格がとても良かった。
ヤスヒロらしい。
「ヒロが初めてだよ」
「だよな」
ビールを一口。
「俺の後輩……大学のなんだけど、生粋のゲイだってヤツがいてさ」
「……生粋って」
「男じゃないと勃たねぇんだって」
「………、」
「まぁ、それはいいんだけど。そいつさぁ、付き合うの、変な男ばっかなんだよ。暴力振るうヤツとか、二番とか」
枝豆に手を伸ばす。
ヤスヒロは黙って聞いていた。
「俺からしたら、馬鹿だなぁって思うんだよな。わざわざそんな厳しい橋渡ってるわりには幸せになれないっつーの。わかんねぇんだろうな、好きになったら。
そういうトコは健気っつーか、一途っつーか」
毎日どこかしこに痣を作ってくる後輩に『そんな奴とは別れろ』と言ったが、彼は『先輩には解らないですよ、俺達の気持ちなんて』と言った。
それ以上何を言っても聞き入れなかった。