花に、嵐
「…美桜ちゃんには関係ないよね」

自分でも、ちょっと冷たい答え方かなと思ったりしたけど、実際、朔ちゃんのことに関しては、美桜ちゃんに答える義務もないわけで。

「そ、……、そうね、確かに関係ないわよね…」

見てもわかるくらいにシュンと項垂れた美桜ちゃん。

その姿を見てチクリと胸に小さな痛みが走る。

結局それ以降、駅に着くまで美桜ちゃんは口を開かなかった。

ただ、俯くその横顔は、なにかをジッと考えているようだったけれど。


「おかえりなさいませ、美桜お嬢様」

最寄り駅に着くとすでに迎えの車が待っていた。

私は使ったことはないけど、美桜ちゃんは仕事が遅いとき、ママ専用お抱え運転手の関さんに迎えに来てもらうことがある。


どうやら今日は先に美桜ちゃんが連絡していたようだ。

「ただいま、関さん」















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