叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
ここだけが浮いたように静かだ。
「気持ち悪いのよ。同じ顔が近くにいて、いつも周りから比べられて、本当にうざったい」
凍りつくような寒さの階段の踊り場で、同じく凍りつくような冷たい言葉。
……俺には兄弟がいないからわからないけど。
そんなのって、本音なのか……?
たった一人の姉妹なのに。
「優花がどう思っているのかは知らないけど、私は双子で生まれて来たのが本当にイヤなの」
張り裂けそうな想いを、言葉を選びながら言っているような感じ。
誰とでも仲良くなれる優夜ちゃんとは話したことはあった。
だけど、こんな刺々しい彼女を見るのは初めて。
いつも凛としていて、強くて……。
そんなイメージだったから。
正直ちょっと戸惑ってる。