叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
『冬樹と仁くんと私で?』
「そうだよ。楽しそうでしょ?」
相沢はすこし戸惑ったような表情をして軽く頷いた。
その戸惑いはまるで『いいの……?』とでも言ってるかのようで。
胸が軋んだ。
相沢は、
やっぱり戸惑ってるんだ。
自分は幸せになっちゃいけないって、そう思ってるんだ。
「相沢」
名前を呼ぶと首をかしげた相沢が俺の顔をジッと見る。
俺はそんな相沢の中にある心の闇みたいなものが、少しでもなくなればいいなって、そう思いながら笑って見せた。
「いっぱい楽しいことして、たくさん思い出つくろ!」
『…………』
「なっ、相沢」
『うん……』
相沢が楽しいと思うことをしよう。
幸せだとたくさん思って欲しい。
それにはきっと
過去の辛さを乗り越えるしか
ないんだろうけど。
どうすればいいんだろう。
全然、わからない。