叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
前に言っていたシンデレラって、優花ちゃんのことかな。
意地悪な姉や義理母に毎日こき使われて、それでも嫌な顔せずにいつかいい事があるはず……そう信じてシンデレラは言う通りにしていた。
王宮の舞踏会の夜、楽しみにしていたシンデレラのドレスをズタズタにした姉と義理母。
泣き崩れるシンデレラの前に現れた魔法使いのおばあさん。
……優花ちゃんにとっての魔法使いは間違いなく仁だった。
間に合わなかっただけなんだ。
伝えられる術があるなら、どうか伝えたい。
優花ちゃんに、
あの頃確かにあなたは
独りじゃなかったよ……と。
伝えることができたら、仁の心は軽くなってきっと時も動き始めるはずなんだ。