叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。

第15話『何度だって君を見つける』




「えっ、帰りたくない!?」



次の日の朝、リビングに俺の驚いた声が響いた。

少し大き過ぎてゴホゴホわざとらしく咳払いをして誤魔化す。



『もちろんちゃんと帰るけど』



お昼前、相沢がため息ばかりつくから理由を聞いたら帰りたくないって。


ノートの中の文字を見つめる。


……お母さんと顔合わせるのが、辛いのかな。


でも、そんな風にお母さんとケンカできることは両親がいない俺にとっては羨ましいことだけどな。



「いつまでもいていいのよー?」


「ちょ、叔母さん!!」



なんてことを言うんだ……!!


キッチンの方から舌をだしておどけて笑う叔母さんの言葉にぱあっと表情に花を咲かせる彼女。



「だめだよ、相沢。ちゃんと向き合って話さないと」


『……ぶう』


「そんな顔してもだめだよ」



可愛いから許したくなるのは心に秘めておこう。


別に俺だって相沢が何日ここにいてもいい。


だけどそんなことしたって問題を本当の意味で解決することなんてできないし、絶対後悔すると思うんだ。


話し合った方がいい。


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