叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。


すると…相沢が静かに俺の手を掴んで

そっと、突き放すように手を離した。


ーーズキッ!


まるで、

俺を拒絶するみたいに……。



「あい、ざわ?」



俺と意地でも目を合わせないように、横を向いている。


出て行ってと、言われたような気分だった。

ずんずんと心の中が曇って切なくなる。


なんで……?

どうして……?



「俺って、うざいかな……?」



本当はずっと、心の中で迷ってたことがある。


俺が相沢にしていることは、もしかしたら彼女にとっては、単なるお節介でしかなくて。


迷惑がっているかもしれないって。


相沢とは執談でしか意思疎通したことがないから。


笑わせたいと思うのも、

声を取り戻してあげたいって思ってるのも、


あの、公園でした約束だって、


俺のエゴなのかもしれない。

迷惑だったのかもしれない。



「俺って、相沢にとって辛い存在になってる?」



答えて相沢。


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