叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
あ……。
空気がいっぺんに凍りつく。
ザワザワ、ザワザワ。
……かっこ悪ぃ、俺。
行き場を失った手を静かにポケットの中にしまった。
ちょっと調子に乗りすぎたかも。
今日会ったのが初めてではないってだけで、すこし馴れ馴れしくしすぎたかもしれない。
彼女はうつむいたまま、自分の席に座った。
「なにあれー。ほんと無愛想。せっかく冬樹くんが手を差し出してくれたのに」
「話せないんじゃなくて、話さないんでしょ?本当は話せるくせに」
「まじムカつくわ〜」
わざと、相沢に聞こえるような声で文句を言う女の子達に嫌悪感がした。
なんか勘違いしてね?
相沢、めっちゃ愛想がいい可愛い子だし。
少なくとも俺はそう思ってる。
「気にすることないよ、冬樹くん」
「うん、気にしてない。てか席についた方がいいんじゃない?」
「そうだね〜。ありがとう」
気になんかしてない。
拒絶されたことがすこし悲しいだけ。