叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
「どうか、優夜に会ってあげて……っ」
「お母さん……っ」
倒れるように近くのソファに座ったお母さんの背中を優花ちゃんが寄り添うようにして、さすっている。
二人で積もる話もあるだろう。
その姿を見て俺と仁は病室の扉をそっと開けて中に入った。
ーーピッ、ピッ、ピッ……。
規則的な機械音。
ベッド眠る姫の首にはコルセットと口に呼吸器。
頭や腕には包帯、点滴にも繋がれている。
痛々しい愛しい人の姿に胸が痛い。
つい数時間前までは、ちゃんと意識があって、意思の疎通ができていたのに。
……あい、ざわ……っ。
「相沢……」
近くに寄って、相沢の顔をよく見る。
ただ目を閉じて眠っているようにも見えるけれど、それはどこか悲しみの表情を含んでいるようにも見てとれた。
……生きてるんだな。
規則正しい機械音も生きてる証。
痛々しいコルセットも包帯も点滴も、相沢の命を繋いでくれている。
「……相沢。目が覚めたら一緒に遊園地とか水族館とか、いろんなところに行こう」