叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
「……ですが、大変危険な状態には変わりはないそうです。意識もまだ戻っていないらしくて」
それでもいい。
それでもいいんだ。
君が生きているなら。
俺は、それ以上は望まない。
「冬樹!」
仁が俺の名前を呼んだ。
泣きじゃくる俺を見て笑い「優夜ちゃんに会いに行こう」と言ってくれた。
うん……うん。
会いに行こう。
今、君に。
大好きな君に、伝えたいことがあります。
「はじめまして」
放課後、優花ちゃんと仁と俺の三人でそのまま病院に向かった。
はじめて対面する相沢たちのお母さんに頭をさげる。
「来てくれてありがとうね……っ」
やつれた顔をムリやり笑顔にしたような、見ていて辛くなる表情。
泣き腫らしたような目は、赤く充血している。
きっと、すごく泣いたんだろうな。