叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。


死ぬほど悩んでた君が、未来だった今を生きてて良かったと思ってもらえるように。


過去にどんどん変わっていく今に幸せをたくさん詰め込んで行けるように。



「ひゃー!外は寒いねぇー……」



手をこすり合わせる相沢の仕草。


週に一度リハビリに通っている相沢は杖なしでも歩けるようになった。



「大丈夫?マフラー貸そうか?」


「マフラーもうしてるし!二枚も巻いたらジャマだよっ」



おかしそうに「冬樹のばか」と笑う相沢に「なんだよー」と俺も笑う。


しばらく笑って静かになる会話。


えっと……。



「あの、さ……」


「なに?」


「もうすぐクリスマスイブじゃん?」


「……うん」


「よかったら一日俺にくれない?……誕生日なんだ」



そう。

12月24日は俺の17回目の誕生日。


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