叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
俺たちの横を通り過ぎていく人たちの足音も聞こえなくなるくらい、
目からたくさんの涙が出るくらい、
「良かった……!無事で……っ」
君が、ここに戻って来てくれたことが心から嬉しくて、安心したんだ。
今度こそもう手の届かないところに行ってしまったかと思った。
触れている君の存在。
確かに目の前にいる君が嬉しいーー。
掴んでいる君という存在を、もう、離したくない。
離さない。離れ、ないで……っ。
「ふゆきっ……ごめんね……っ」
相沢が俺の背中に手を伸ばして必死にしがみつく。
力いっぱい抱きしめる腕に力を入れた。
「わたし……っ、全部思いだしたの……」
泣きながら言葉にする相沢。
「あの時、ちゃんと死ねなくてごめん……ごめんなさい……私っ」
「何言ってんだよ……!!まだ分かってないのか……!!」
相沢の身体を引き離して泣きじゃくってる彼女の顔を見る。
「お前は……っ、生きてていいんだよ!」
何で死ねなくてごめんなさいなんて言うんだよ。
相沢がそう言うことで、傷つくひとがいるってことに何で気づかねぇーんだよ。
誰も相沢に死んで欲しいと思ってる人なんていないんだよ。
こんなにも大好きで、大切で。
死んでほしくない。
生きてて欲しいんだよ。
もう誰も相沢のことを責めたりしない。