叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
これは積もりそうな雪だ。
風もなくただシンシンと降り続ける雪は、人の足跡を残すように少しずつ時間をかけて積もって行った。
「…………」
また時間が経って日が沈み始める。
手がかじかんで、感覚がなくなって来ていた。
吐く息は、とても白い。
さっきから何度もスマホで相沢に電話をかけているけれど全然繋がらない。
……どうしたんだよ。
どこに行ったんだよ。
また、俺の目の前からいなくなるのか。
あの時みたいに。
寒い。心が寒い。凍えそうに。
不安が雪と同じように少しずつ重なって積もって行く。
「……はっ」
息を吐くように、少しだけ自嘲気味に笑った。
大きなクリスマスツリーに灯りが灯る。
イルミネーションもキラキラ輝き出した。
……俺、またなにか間違えたかな?
焦るというよりも、生きてる心地がどんどん奪われるような感覚。
冬の寒さもあいまって、どんどん体温も奪われて行く。
ーーザッザッザッ。
雪を踏む足音が近づいて来る。
うつむいていた俺の目の前で止まった歩みに、ゆっくり顔を上げる。
「ーーーーあいざわっ……!」
考える余地もなく、目の前にいた彼女に手を伸ばして夢中で抱きついた。