叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。


当の本人はそのことにまったく気づいておらず。
他の女の子にすごく親切にしてて。


……そう。

誰にでも冬樹は優しいの。


優しすぎるの。


そんなところが好きになったはずなのに、私はたまらず教室を抜け出した。


泣きたかったから。


なのに冬樹は追いかけて来るし。


そして図書室で再び抱きしめられた。


冬樹といるとドキドキして、
優しくされるとすごく嬉しくて。


毎日が幸せだった。


冬樹と話してて仁くんと目が合ったりするとドキ!として気まずくて。


幸せになっちゃいけないんだ……。

って、確認させられた。


でもある日仁くんは私に言った。



『あの誓いは忘れよう。優夜ちゃんは幸せになって』



そう、言われたの。


< 320 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop