叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
当の本人はそのことにまったく気づいておらず。
他の女の子にすごく親切にしてて。
……そう。
誰にでも冬樹は優しいの。
優しすぎるの。
そんなところが好きになったはずなのに、私はたまらず教室を抜け出した。
泣きたかったから。
なのに冬樹は追いかけて来るし。
そして図書室で再び抱きしめられた。
冬樹といるとドキドキして、
優しくされるとすごく嬉しくて。
毎日が幸せだった。
冬樹と話してて仁くんと目が合ったりするとドキ!として気まずくて。
幸せになっちゃいけないんだ……。
って、確認させられた。
でもある日仁くんは私に言った。
『あの誓いは忘れよう。優夜ちゃんは幸せになって』
そう、言われたの。