叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。


覚えててくれたんだ!



「ありがとうっ」



本を受け取ると相沢が頭をブンブン横に振ってて。すげー可愛い。



「なぁ、相沢」


『…?』


「なにかあったら俺に言えよ?」



守りたいから。



「相沢のこと、少しずつでいいから知りたい。仁とのこと、この前のおばさんのこと。なにかあるのは見ててわかったから」



少しずつ相沢の笑顔が引きつり、そして消える。


それでも俺は相沢の本当の笑顔が見たい。
偽りなんかじゃなくて、心からの本当の笑顔。


その時。

相沢がゆっくり立ち上がって、俺のとなりに腰を下ろした。


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