叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。


夏休みは夏沙とどっか行くかな。
プールとか、公園とか。
寂しい思いさせたくねぇーし。


親がいないからっていう引け目は、感じさせたくない。


……バイト探そうかな。



「なあなあ、冬樹」


「なんだよ」


「アイス食いたくねー?」



放課後の教室。
さっさと帰ろうと準備していた俺に仁がカバンをリュックみたいにからって話しかけてきた。


ヤツのふわふわパーマは真夏でもいい感じ。
染めたこともパーマをあてたこともない俺には、あまり興味がないことだが。



「なぁーなぁー。アイス〜」


「……あー、アイスな」


「そぉーそぉー!アイスアイス!」



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