SトロベリージャM
おぼつかない足取りの実野里を、玲は気にしているようだった。


なかなか、席に戻ってこないので心配になったのか、玲も席を立った。


「拓斗、僕も飲みすぎたみたいだ。ちょっと部屋で休憩してくるよ。2人が戻ってきたら、そう伝えておいて。」


「うん。分かった。」


拓斗は、空になったワイングラスを見て、玲が酔うには少なすぎると思ったが、細かいことは気にしなかった。


案の定、玲は酔っていなかった。


それは、今後のダイと実野里、そして今夜限定で自分のためについた嘘だった。


その頃、実野里はトイレから出たものの、眩暈もするし、体は火照って熱いしでお手上げ状態だった。


(一度、部屋に戻ろう。)


廊下を歩き始めたばかりなのに、足が真っすぐ前に進まなかった。


(どうしよう・・。)


そのとき、誰かの声がした。


(ダイ??)


「実野里ちゃん、大丈夫?」


「あっ、玲!わたし、酔いすぎちゃったみたいで・・。部屋に戻りたいんだけど、上手く進めなくて・・。頑張って歩くから、道を案内してもらってもいいかな?」
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