SトロベリージャM
実野里は、ドアのベルが鈴虫の鳴き声と混ざる音を聞きながら、秋の哀愁漂う夜風を頬に感じた。


目の前にいる自分より背の高い人物を見上げたとき、実野里は言葉を失った。


「!?」


「ごめん、来ちゃた。」


「な・・何が来ちゃったよ!そんな、可愛く言ったって許さないわよ!ちょっと、ひとまず入って!誰かにバレたら大変でしょ!?」


実野里は大男の腕を掴み、店内に引き込んだ。


「実野里、大胆だな。会えない休日は、そんなに俺のことを求めたの?」


悪戯な笑みを浮かべたダイが、見下ろしてきた。


見慣れた仕事着だったが、ホストに見間違えてしまうこの格好が、1番実野里を魅了する服装だった。


「そ・・そりゃ、ほとんど職場でしか会ってなかったら、寂しくなるときもあるけど・・。」


疲れているせいか、自分でも不思議なほど素直に返答していた。


「実野里、可愛い。」


そう言って、ダイは初めて訪れた実野里の家で、家主を抱きしめた。


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