SトロベリージャM
実野里はそのまま、きつく抱き締められていた。


「ダイ・・?」


ダイの大きな身体は、風邪を引いた小さな子供のように震えていた。


「この甘さと味は、大地への思いか?」


ダイにそう言われると、全てを見透かされたようで、鳥肌が立つほどゾクッとした。


「そ・・そうよ。幼いころ、大地がいなくなって、わたしは毎日、思い出の大樹の下で泣いたわ。その涙がしみ込んだ場所に、畑を作ったの。この畑で、苺を毎年育てているわ。1年中食べていたいから、春取れたものを保存して使っている。ねぇ、わたし、確かめたいことがあるの。もし、違っていても、ダイへの気持ちは変わらないから教えてほしい。ダイは、大地・・っきゃっ!?」


いつの間にか、実野里はお姫様抱っこされていた。


「お前の部屋はどこだ?教えろ。」


実野里は、切羽詰まった様子のダイに何も抵抗せず、部屋の場所を伝えた。


階段を上るダイの足取りは、だんだん落ち着きを取り戻していった。


部屋に辿り着いたら何が起こるか、実野里にはもう分かっていた。




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