SトロベリージャM
誰かに見つからないか心配になったが、夕方から深夜にかけては、皆が外にでることは滅多にない。


だから、わたしも夜を狙って、外出していた。


もし、運悪く見つかったとしても、もう構わない。


別れた彼氏だと言えばいいだけのこと。


わたしは、なんてひねくれた女なんだろう。


人生、諦めが必要なときだってあるのに、いつまで経っても根に持って、新しく前へ進もうとしない。


植物だって、同じ根には同じ種類の花しか咲かない。


だけど、植物は綺麗だからそれでいい。


何の汚れも混ざらない‘純’そのものだから。


わたしは、いろんな水を吸ってしまったのかもしれない。


きっと、これは感情を持った人間の定めなんだろう。


暫くして、ハッと我に返ると、時計の秒針の音が、普段より大きく聞こえた。


21時5分、きっともうすぐ、大地がやって来る。


それは、嬉しいことなの?悲しいことなの?


どっちか分からなくなった。
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