SトロベリージャM
考えすぎたせいで疲れた実野里は、だんだん眠たくなってきた。


そのとき、店の入り口をドンドン叩く音が聞こえた。


(大地だ!!)


足は、自然と目的地を目指していた。


心身は、弱っていることを忘れたかのように、すばやく反応した。


だが、ドアノブに掛けた手は、震えていた。


ベルを小さく鳴らしながら、ゆっくりと少しだけドアを開けた。


その隙間は、たった10cmほどだった。


ダイの切れ長の目が、隙間を覗いてきた。


「実野里、ただいま。どうした?」


「・・・。」


無言のあとに発せられたのは言葉ではなく、痛々しい泣き声だった。


「おい!大丈夫か?とにかく、ドアを開けろ。」


大地が、力任せにドアを開けた。


目の前に立っていたのは、大地の知っている実野里ではなかった。


頬はこけ、身体は痩せ、瞳は死んでいるようだった。


「実野里・・お前・・。」


泣き崩れた実野里は、床に座り込んでしまった。
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