SトロベリージャM
~Side 大地~


俺は、目の前に立っている変わり果てた妖精を見て、頭が真っ白になった。


苦悩した人間に変身してしまったかのようだ。


どうして、痩せてしまった?


どうして、瞳が死んでいる?


当たり前だ、大切ものを全て失うかもしれないという恐怖と絶望に支配されているのだから。


そんなときに、俺は・・。


自分の行いに後悔した。


実野里の本気のSOSを、感じ取れなかった。


きっと、わざと、俺に感じ取らせないようにしたのだろう。


俺は、床に座り込んで、泣き崩れている実野里を抱きしめた。


冷たい・・。


いつも、温かい身体が、今はものすごく冷たい。


これは気温のせいではない。


俺のせいだ。


「実野里ごめんな・・。」


目頭が熱くなった。


この悪魔の俺が、大人になって初めて流した涙だった。


「ただいま。さぁ、一緒に温まろう。俺は、ずっと、実野里の傍にいたい。」


実野里は、俺に嫌われると思っていたのだろう、その言葉を聞いて落ち着きを取り戻してきた。
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