SトロベリージャM
実野里は家に着くと、一目散に自分の部屋へと向かった。


この家の空き部屋は全て実野里のものだが、一応マイルームはあるようだ。


置かれているものと言えば、ベットやピアノ、ノートパソコンとCDプレーヤーが置かれた一人用の机、あとは洋服が入ったタンスやクローゼットくらいか。


森の中にいるかのような錯覚に陥りそうなくらい、木の香りが漂っている。


その空間に、パステルカラーで揃えられた絨毯やカーテン、小物が並ぶ。


そして、あらゆる所にあるのは、1階と同じような小動物や小鳥の置物。


だが、毛がフワフワのぬいぐるみ仕様のものは、この部屋にしかないようだ。


(さて、エデックの求人情報はあるかな?)


インターネットで調べていくと、求人情報のページ画面になった。


そこには、いくつかの選択肢があった。


①事務職:25歳以上の事務職経験者または、ワード・エクセルの資格保持者
②営業職:25歳以上の営業職経験者に限る
③店舗運営:大学卒業者
④補助アルバイト:大学卒業者及び成績優秀者に限る※
⑤掃除パート:50歳まで

※補助アルバイトは、会社内の仕事をオールマイティに手伝う。
上層部の補助にも入ることも多く、知識を兼ね備えた者が必要とされているため。


(※はわたしのために、用意してくれていたのかしら?)


そう思えるほどに運命を感じた。


(わたしは、④のジョーカーをとるわ。)

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