SトロベリージャM
「お・・おいしいか?実野里?海外でも指折りの人気を誇る洋菓子店から、買ってきたんだぞ。」


口をモグモグさせながら、虚ろな目だけをこちらに向けてきた。


「・・・」


味わってるから邪魔しないで、と言っているかのような眼差しが痛かった。


そこで、言い方を変えてみた。


「実野里、俺のもいるか?」


2回目の妖精スマイルを見ることができた。


この3週間、ろくなものを食べていなかったんだろう。


だんだん、実野里に元気が戻ってきたことが嬉しくてたまらなかった。


全て、食べ終わった実野里は、小鳥のように可愛い口を開いた。


「大地、ご馳走様。おいしかった。ごめんね、わたし、大切なものを全て失ってしまうことが、つらくて・・。森も大地も・・。そう、思ったら、何のために生きてるんだろうって怖いこと考えてた。無気力症候群になってたみたい。でも、ネット販売はきちんと続けたわ。」


弱弱しく微笑んだ実野里。


いいか、実野里、俺は、絶対にお前を手放すつもりはないぞ。




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