SトロベリージャM
「決断できないようだな。では、徐々に決めていってもらおうか。まずは、あの1番でかい木を切ってやろう。」


鬼は、指1本で3台の妖怪に命令した。


「い・・いや!あの大樹は・・!」


「そうか、じゃあ、大地を諦めるか?」


実野里は、くやし涙で視界が歪んできた。


何もできない自分、何も選択できない自分、鬼に負けたくない自分に。


実野里が何も答えないので、妖怪たちは大樹に向かって進んでいった。


そのときだった。


怒りで拳が震える大地が、口を開いた。


「俺が・・俺がお前の言う通りにすれば、今後、森には絶対に手を出さないんだな?」


「大地・・。いやよ!そんなのいや!」


実野里は声を荒げた。


「意外に物分りがいい息子だな。じゃあ、契約書にサインしてもらおうか?」


大地が1歩を踏み出したとき、別の声が少し遠くから聞こえてきた。


「その必要はないみたいだよ。」

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