SトロベリージャM
「まぁ、みんなの前でそ～んなことしちゃて。実野里らしくないわね。」


聞き覚えのある声が聞こえた。


「お・・お・・お母さん！！何でいるの！？」


茶色のコートにジーンズ、黒いブーツというシンプルなコーディネートで現われたのは、紛れもなくわたしの母だった。


「何でって、今日はあなたの誕生日でしょう？好きな人ができたって言うから、結婚資金でもあげようかしらって思ったの。他の資金も貯めたし、これで都会暮らしともおさらばできそうよ。」


大地と少し距離を取りながら、母の瞳を真っすぐに見た。


「わたしの愛する人は・・。」


「大地君でしょ？そんなこと説明しなくても分かってるわよ。」


「へっ！？」


母は、私と同じロングの黒髪をかき上げながら、セクシーな口調で言った。


「だって、あなたは、大地君しか愛せないようにできてるのよ。わたしがそう育てたから。っていうのは冗談かもしれないけど、美里とは都会でも連絡を取り合ったり、たまに会ったりしてたの。だから、大体のことは知っているわ。この母に秘密事なんて１００年早いのよ、実野里。」

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