SトロベリージャM
壁も床も天井も黒い大理石で出来ていて、超高級マンションのようだ。


大理石に映ったシャンデリアが、薄暗い空間を妖しく灯していた。


毎日、土の上を歩き、木に囲まれた生活をする実野里にとって、ここは異空間だとしか思えなかった。



社長室と書かれたドアの前で、深呼吸をした。


しかし、深呼吸はしてもしなくても変わらなかった。


空気が美味しくないからだ。


(本調子出ないな。)


そう思って、鞄からストロベリージャムを取り出した。


指に取って、少し舐めてみると、甘い初恋の味が口いっぱいに広がった。


(大地の味・・あぁ、萌えてきた・・いや、燃えてきた!)


無事、自己満足を味わえた実野里は、ジャムをしまい、ドアをノックした。


「どうぞ。」


ダンディーな声が聞こえてきた。



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