SトロベリージャM
実野里は、ダイの部屋に戻ってきた。


床を見て、ストックの花を探したが、どこにも見当たらなかった。


しかも、不思議なことに、割れた花瓶もなくなっていた。


床とダイの机ばかり気にしていた実野里は、ふと、窓際を見て驚いた。


無色透明の空き瓶に、ストックの花が生けられていたのだ。


茫然と突っ立っていると、後ろから声が聞こえた。


「それ、俺が直した。カジミノみたいには器用にはできないけど。まぁ、仕事は、俺の方ができるけどな。」


実野里は、また瞳が潤んできた。


(ダイ・・。きっと、植物に触れるとき、手が震えていただろうな・・。)


「痛っ!」


「どうしたの!?ダイ!?」


後ろを振り向いた。


ダイは、少しだけ顔を歪ませて、指を見ていた。


「あぁ、さっき指を切ったんだ。さっきまで、血が止まってたのに、また、出てきやがった。」


「えっ!大丈夫?」


ダイの元へ駆けつけた。
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