SトロベリージャM
玲は笑顔の仮面を付けた。


「ふふ。反応の良い妖精さんだね。」


(柴谷玲は、庭に咲いたダリアの花のようだわ。)


実野里は、花言葉を思い出した。


(この人、華麗・端麗・優雅・威厳を全て兼ね備えている。整いすぎて怖いくらいに。)


斜め前にあったはずのダイの背中が、いつの間にか実野里の目の前にあった。


「玲、俺の秘書に気易く触るな。何かしたら、容赦しない。あと、妖精と呼べるのは俺だけだ。」


(ダ・・ダイ!?)


ダイが言い放った「妖精」という言葉で、大地との思い出がフラッシュバックした。


(違う・・。ダイは大地じゃない。大地はダイじゃない。)


そう、言い聞かせる度に、鳥肌が立った。


実野里が深刻に考え込んでいる間にも、2人の会話は進んでいた。


「じゃあ、何と呼べばいい?」


「あぁ、カジミノで頼む。」


(はぁっ!?ありえない!玲の口からカジミノなんてありえない!イメージ崩れますから!さっきの鳥肌は撤回よ!やっぱりダイはダイなのよ。この恥さらし!!)


「分かった。それじゃあ、カジミノさん。本日は楽しんでくださいね。」


玲のイメージの中で咲いていたダリアは、「やってらんねぇ」と一目散に逃げていった。





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