SトロベリージャM
黒い瞳を潤ませながら、上目づかいで見つめてきた。


波で揺られる度に、その大きい瞳が振り子のように動き、更に可愛さを引き立てた。


「うん。大丈夫よ。お姉ちゃん怒ってないよ。」


(はい、可愛さに負けましたぁ・・。)


短髪の黒髪に黒い瞳、女の子に見間違えてもおかしくない美貌だ。


そして、実野里は重大なことに気付いた。


(この子、よく見ると、ハ・・ハーフ!?誰かさんに恐ろしいくらい似てるんですけど・・。気のせいでょうか??)


誰かさんに似た11歳くらいの男の子は、可愛い熱帯魚のように口をパクパクさせながら言った。


「それにね、お姉ちゃんの服が濡れたら、喜ぶ人が少なくても3人もいるの。でも、その中の1人は怒りながらだけどね。」


実野里は、引きつった顔に喝を入れ、作り笑いをしながら首をひねった。


「う~ん。お姉ちゃんにはちょっと分かりにくいな。」


(本当にこの子がこんなこと言ってるの!?もしかして、腹話術??)


そう思った実野里は、海の下を覗いてみたが、昆布だけが虚しく浮遊していた。
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