被写体


  * * *


撮影が終わり、後片付けをしていると。

「お疲れさま」

目の前に、森本淳がいた。

「あ、お疲れさまです」


そう言って、ふと周りを見回すと、剛がいない。

あれ?と思うと同時に、

「カメラマンの…タケシさん?が呼んでるよ」

と森本が言った。

「案内してあげる、おいで」

お礼を言って、彼に付いていく。


「――ここだよ」

「あ、ありがとうございます」

< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop